小説・コラム

小説 『編入』#17 第三章①

そろそろ梅雨入りも近くなってきてジメジメしてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?もう少ししたら本番の試験が始まるという方もいらっしゃると思いますので、湿っぽさには負けずに頑張っていきたいですね!

さて、今週もやってまいりました!毎週金曜日20時投稿の連載記事である編入小説『編入』のコーナーです。

この連載では、「世の中の多くの人に大学編入を知ってほしい!」、「転職するように、自由に大学に移れることが当たり前の世の中にしたい!」という想いを実現するための私たちの活動の一環です。

大学編入を専門としているメディアであるTrask(トラスク)では、この小説を通して、多くの方に大学編入を知ってもらいたいと考えております。

さらには編入を志望するすべての方にフィクションではありながらも、編入した先輩の実話を元にした作品を通して、実際の編入試験のイメージを持ってもらい、合格の一助となれればと考えております。

ぜひ、周りのご友人やご家族にシェアいただけると幸いです!

著者プロフィール

濱田 友来人(ハマダ ユクト)

平成7年生まれ。熊本県熊本市出身。
高校卒業後上京し、専門学校神田外語学院に入学。同学校卒業後、そこで培った経験や学びを活かし、4年制大学に3年次編入。
現在は執筆業、FXトレーダー業を主軸に活動しながらも、自らが掲げている「限りなき挑戦」という理念の下、上述した以外のことにも上述した以外のことにも挑戦している。
趣味はゴールドジムでの筋力トレーニング。



#17 第三章 『編入学試験を受けるということ』①

・・・・

別れの季節は過ぎ、新たな出会いが広がる時期になった。

2年生になり心機一転するべく、何事にも初心に戻るよう試みた。

そして、今年度は編入学試験本番である。これまでも自分なりに頑張ってきたが、改めてそう遠くない未来に試験が待っているのだと思うと、気を引き締めていかなければならないという気持ちにならざるを得なかった。

 

 

2年生になって初めての授業が今日だ。

学内で驚くほどTOEICスコアを伸ばした僕は、今年度の英語のクラスが上から3番目になった。

去年度は同じだった菜奈は僕の1つ下のクラスになった。

離ればなれになって悲しい気持ちはなくはないが、TOEICの講座では同じ教室で受けるので別に大丈夫だね、ということになった。

ここまでは英語のクラスでの新しい話をしたが、一方でもうひとつ新しいことが始まった。

ビジネスキャリアの授業である。2年生になってから新しく「ビジネスリサーチ」という授業が始まる。

これは、4~5人でグループを作って現在世の中で起こっているひとつの社会現象に疑問を持ち、その研究分析を行い、最終的にはそれをビジネス的な視点でどのように行動すればよいかを提案する授業である。

この授業はビジネスキャリア科の中でも一番重要で、これが卒業制作の役割も果たしている。

つまり、これを完遂しなければ卒業できないというわけである。いくら大学に合格しても、この単位を取得してなかったら無駄になるのである。

あと、この授業は1年の頃から先輩から話を聞いていたが、ものすごくしんどい。

大学生が4年生に行う卒業論文を複数人で行うようなものなのだ。

最低でも週に一回はグループで集まらないといけないとやっていけないし、そうでない日でも個人でやるべき作業は山のようにあるとのことだ。

本当にガチの研究分析を行うので、何回も心が折れそうになりそうになるのである(実際に折れた先輩もいるらしい)。

4月からは本格的に編入の勉強が始まるので、ほとんど毎日勉強漬けになってしまう。

なので、僕がこの両方を成し遂げることができるのかということが今年度最大の心配だった。

今の僕にとって一番の鍵となるのは、タイムマネジメント、言い換えると、いかに限られている時間を有効的に使うかということである。

 

 

「では、今日から新学期でビジネスキャリア科最初のビジネスリサーチを始めたいと思います! 今年もよろしく!」

そう元気よく声を発したのは、担任の倉岡先生だ。

この授業では、先生がじっくりと僕らに寄り添って指導やサポートを行ってくれる。つきっきりではないが、それなりにまとまった時間をかけてくれる。

「今年は僕らビジネスキャリアの集大成を見せる年だから精一杯頑張ろう。じゃあ、このビジネスリサーチの概要を説明します。

これは大学でやってるゼミと同じレベルでビジネス研究を行う授業です。ここでは多角的に物事を考えて、その研究過程で消費者の心理の変化、どういったトレンドになっているのか、市場でどのような影響を与えているのかなどを分析します。

そして最終的には、学院長やゲストの経営者が来る講堂で最終報告という名のプレゼンテーションをしてもらうことになります」

僕はみんなにバレないようにため息をついた。これやっていけるのか。頭からスタートダッシュで足を踏み外し失敗したような気分だ。

しかし、僕は今では周りからビジネスキャリアの中では変に期待を抱かれている。他の仲間や先生たちからだ。

ビジネスキャリア科2期目でいきなり大学編入で結果を出すのではないか、と思われていた。

1年のときに僕が授業で宣言(みたいなやつ)をしてしまって以来、ある意味で周りから注目を集める存在になっていた。そりゃ当然といえば当然なのだが。

最初、周りは少し小馬鹿にしたような感じで僕を見ていたが、去年末TOEICでスコア700を取ったあたりから徐々に期待を寄せ始め、今では完全に僕を応援してくれるようになっていた。

分かりやすく言うと、ケンなら編入もビジネスリーサチも余裕っしょ! ということである。

もちろん僕も周りのメンバーから応援してくれるのは嬉しいことなのだが、それが逆にプレッシャーになり僕のメンタルを蝕んでいくようになる。

 

グループ分けの時間になった。てっきり僕はくじ引きで決めるのかと思っていたが、その必要はなかった。先生が事前にグループのメンバーを振り分けていたのだ。

僕たちのグループは4人。一人目はミシェル。彼女はアメリカと日本のハーフでものすごくスタイルがいい。帰国子女なので当然英語はペラペラである。

見た目は遊んでそうに見えるが、実際はかなり真面目な子である。ビジネスキャリアの授業でも分からなかったことがあったらすぐさま手を挙げて質問する。

授業中以外ではよく自習室に来て僕といろいろなことを話したし、非常に気が合う友達の一人である。

2人目は美紗。彼女はビジネスキャリア女子の中でも身長が低いということもありすごく可愛らしい。

と、普段はそうで比較的大人しいのだが、一方でお酒が入ると豹変する。

一言で言うなら、クレイジーになる。そのあと人になつっこくなる。ベタベタ体をすり寄せてくるのだ。これを女子にするのであればまだ分かるのだが彼女の場合は、男子にもお構いなしにしてくる。僕も何度かその犠牲者になったことがある。

琴音と付き合っていなかったときは別に良かったが、付き合いだしてからも相変わらずだった。この光景を琴音が見ていたら僕は間違いなく瞬殺されていただろう。

今回、美紗が同じメンバーになったので、そういう意味で僕は背中にスーっと冷や汗をかいた。

3人目は智花。彼女は菜奈と同等かそれ以上の明るさを持ち合わせている。原則、常にテンションが高い。授業中でもときおり高笑いして盛り上げてくれる。

大学でそんなことされたらはた迷惑だが、ビジネスキャリア科では、というか東京外国語専門学校はその生徒の個性を重んじる文化があるので、彼女にとっては非常に合っている学校だった。僕としても智花と一緒の授業を受けていて楽しかったし、なにより彼女のノリは好きだ。

見た目はパリピっぽいが、実は自分の軸をしっかりと持っている子である。自分が信じた道を突き進むといった具合だ。

現在就職活動をしているのだが、かねてより行きたかったアパレル業界から内定をもらうため、必死に奮闘している。うまくいって欲しいと僕も心から応援している。

と、ここまでメンバーの紹介をしてきたのだが、ん? ちょっと待て。

俺以外全員女子じゃないか!

実を言うと、今年の英語のクラスでも15人中男子は僕だけなのである。

ハーレムでいいじゃないかと思う人も多いだろうが、現実はそんな甘ったるい世界ではない、ということを僕は知っている。

東京外国語専門学校の生徒の7割は女子である。その中でも比較的男子が多いと言われているビジネスキャリア科でさえ、3分の2は女子なのである。

なので、この学校は女性社会といっても過言ではない。

女の世界は想像よりもドロドロとしていることを僕は知っている(あくまでも個人の見解です)。

それを外で見てる男の僕でさえそう思うのだから、当の本人たちは僕の考えているよりも何倍も厳しい環境に置かされているのだろう(あくまでも個人の見解です)。

実際に去年、僕はある女子たちが教室の外で喧嘩している光景を見たことがあるのだが、それはそれは凄まじかった。まるで発している言葉が矢となって相手の急所を狙って攻撃しているようだった(あくまでも個人の見解です)。

周りが全員女の子ということは、当然ながら主導権は女子が握ることになる。英語のクラスでは僕は男一人で肩身狭くひっそりと過ごしている。

僕は今後いろいろな意味で身が滅ぶのではないかとヒヤヒヤし、かなり思いやられていた。

・・・・


17話は以上です。学年が変わったことで新章に突入です。二年生になったケンローは、卒業制作と編入という二足のわらじを履いていくことになってしまいました。果たして、無事乗り越えることはできるのでしょうか?

ぜひ、この小説を通して、編入試験に多くの方にチャレンジするようになれば幸いです。

次の更新は、6/14(金)20:00です。お楽しみに!

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