小説・コラム

小説 『編入』#18 第三章②

小説編入イメージ

梅雨が続きで、出かけにくい時期ですが、学校にはなんとか通いたいですね。気持ちも下がり調子かもしれませんが、負けずに頑張っていきましょう!

さて、今週もやってまいりました!毎週金曜日20時投稿の連載記事である編入小説『編入』のコーナーです。

この連載では、「世の中の多くの人に大学編入を知ってほしい!」、「転職するように、自由に大学に移れることが当たり前の世の中にしたい!」という想いを実現するための私たちの活動の一環です。

大学編入を専門としているメディアであるTrask(トラスク)では、この小説を通して、多くの方に大学編入を知ってもらいたいと考えております。

さらには編入を志望するすべての方にフィクションではありながらも、編入した先輩の実話を元にした作品を通して、実際の編入試験のイメージを持ってもらい、合格の一助となれればと考えております。

ぜひ、周りのご友人やご家族にシェアいただけると幸いです!

著者プロフィール

濱田 友来人(ハマダ ユクト)

平成7年生まれ。熊本県熊本市出身。
高校卒業後上京し、専門学校神田外語学院に入学。同学校卒業後、そこで培った経験や学びを活かし、4年制大学に3年次編入。
現在は執筆業、FXトレーダー業を主軸に活動しながらも、自らが掲げている「限りなき挑戦」という理念の下、上述した以外のことにも上述した以外のことにも挑戦している。
趣味はゴールドジムでの筋力トレーニング。



#18 第三章 『編入学試験を受けるということ』②

・・・・

4月の下旬、ついに編入学の本格的な講座が始まった。

この放課後講座シリーズは、プレ学期を除くと4月から11月中旬まで行わる。4月から始まるのはその中でも「放課後講座1学期」と呼ばれ、ほかにも夏学期、2学期がある。

放課後講座は東京外国語専門学校の通常の授業料には含まれていないため、春休みの間に窓口で授業料を支払わないといけない。

1年の3学期に行われた「編入学経済系小論文プレ学期」のように、経済系だけでなく文学系、社会学系などいくつかのコースが用意されている。

そのコース間では、料金に差はないのだが、数種類のプランが存在する。

例えば、僕ら3人が取っているのは「通年プラン」と呼ばれ、1学期から2学期を通した経済系の講座が受けられるという内容が入っている。さらに、僕たちが受ける大学に必要な科目すべてを自由に取ることができる。

その気になるお値段は15万円。

ん~、高いのか安いのか。そこははっきり言って微妙なラインだが、「これで本気で頑張ればちゃんと大学に受かるし、うまくいけば15万で旧帝大の学歴が買えるんだから、儲けものでしょ?」と先輩方から聞いていたので、「これは自分のための投資だ」と自分に言い聞かせた。

僕らが取ったのは、プレ学期から続いている小論文、そして2年から始まるマクロ経済学、ミクロ経済学、経営学、時事経済の5つである。

もちろん大学によっては英語の筆記試験が実施されるところもあるので、「経済系英語」といった科目も存在するのだが、僕らはTOEICを課す大学しか受けないので、その科目は取らないことにした。

あえて得意のTOEICの大学を選択して、受ける大学が課す科目に時間を割いて集中して勉強する、これも立派な戦略である。

午後の授業が終わり、今学期初めての放課後講座が始まった。

週のスケジュールとしては、月曜日は時事経済、火曜はマクロ経済学、水曜は経営学、木曜日は小論文、金曜日はミクロ経済学である。時間割表を見ると、見事に全平日の通常授業のあとの時間に放課後講座が埋まってしまった。

 

そしてついに、放課後講座の「時事経済」が始まった。

先程から気になっていた人もいただろうが、「時事経済」という科目。ちょうど今日から始まるので、陶山先生の説明を聞いてもらいたい。

「みなさん、こんにちは。経済系の担当をしています、陶山といいいます。普段は編入センターにいます、ってほとんどのメンツがプレ学期の小論文を受けてた人ですね。

ついに始まりましたね。おそらく、この時事経済を取ってる人は、MRACH以上のレベルの大学や国立大を目指す人が半数以上でしょう。

編入のピークはだいたい11月くらいでそれまで長期戦になりますが、頑張っていきましょう! 私も、全力でサポートしていきます。では、この時事経済の概要を説明しますね。 

時事経済っていうのは、社会で起こっている経済系に関する問題をピックアップして、どのようなことがどのような原因でどう起こったのか、そしてその結果国内ないし世界経済はどうなったのかを学んでいく講座です。

編入学試験で、なぜこの講座が存在するのか。   

それは、ここで扱う問題が編入試験でも出てくるからです。

特に、小論文で出てくることが多いです。例えば、『アベノミクス』。この政策で行われたことは日本経済にどのような影響を与えるのか。あなたの意見を述べなさい。といったような感じです。

この手の問題が出てきた場合、まずアベノミクスについての知識がないと太刀打ちできませんね。そのうえで、あなたなりの意見を書かなくてはならない。相当高度な技術が必要になってきます。

そのほかにも、経済学や経営学にも関連して出てくる場合があります。

時事問題で起こった実際の事例を経済学や経営学の理論に絡ませて試験問題を出してくる大学もあります。

ですので、理論ではなく実際に起こった時事経済の問題を知っておく必要があるのです。

難関大に受かりたい人のための時事経済という位置づけ、とでも言っておきましょう。

では、さっそくやっていきましょうか。

今日配ったプリントの『経済格差』から始めます」

・・・・・

時事経済の授業が終わった。思ったより時間が過ぎるのが早かった。

まだ、時事経済しか受けてないのだが、僕的には楽しかったし、この講座に関しては編入学を目指す人、経済系に編入したい人に限らずすべての人に受けて欲しいと思った。

この講座は、世の中でどのようになっているのかを俯瞰的に見ることができるし、なにより教養力がつくので、受けておいて損はない。

「ケン、帰ろうぜ」

隣にいたジーコが言ってきた。菜奈も隣にいる。

「あぁ、ちょっと待ってて」

「編入学の勉強、最初はつらいことばっかりだと思ってたけど、意外と面白かったな。もともと経済系のことは好きだったから、それもあるのかもしれない」

どうやらジーコはかなり気に入ったようだ。

僕もジーコの意見には賛成だった。

楽しいことばかりではないのは分かっていたが、良いスタートダッシュだった。

「わたしにはちょっと難しかったかもー」

2人で盛り上がっている僕らを見て、菜奈は若干すねたように言った。

「大丈夫だよ。そしたら俺らがサポートするよ。

頑張って3人で旧帝大目指そうぜ! 」

ジーコらしい励ましだ。

「分からなかったらすぐに言ってな。絶対に置いてきぼりにはさせない」

僕もどうにかして菜奈を元気づけたかった。

だが、本当は他人のことよりも自分の心配をしなくてはならなかった。

 

 

この日、僕は軽い運動(のつもりだったが、結局は自分を追い込むくらいしてしまった)をし、それを終えたあと、江戸川に来ていた。

 

いつもの場所に腰かけていると、声が聞こえてきた。

「今日はどうかしましたか?」

「ついに編入試験の勉強が本格的に始まりました。授業自体は楽しいのですが、他にもすべきことがいろいろあって、正直うまくやっていけるのか心配です」

「そうでしたか。これはまた大変な道のりですね。確かに、ほかの生徒に比べると厳しい1年になるでしょう。しかし、それはあなたが選んだ道でしょう?自分が自ら選んだ道なのですから、それはあなたの責任ですよ」

「間違いなくその通りですね。僕が自分で選択したから、自分の力で成し遂げなければならない、ということですね」

「はい。その通りです。これはあなたに対する人生最大の試練なのかもしれないですね。あなたが掲げている目標は決して生易しいものではないということです。ここであなたに迫ってくる壁に向かっていくのか、それとも逃げるのか、それはあなたの自由です」

「・・・・・。逃げたくないです。絶対に。やってみせます。

僕は自分を変えたい。ここで逃げてしまったら、これからも様々なことから逃げ出しそうになるから」

「それでこそのあなただと私は信じてますよ。頑張ってください。私は常にあなたの味方です」

「ありがとうございます。では、また来ます」

・・・・


18話は以上です。本格的に編入の勉強が始まりました!果たして、ケンにどのような試練が待ち構えているのか?今後に注目していきたいですね!

次の更新は、6/21(金)20:00です。お楽しみに!

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